
インテリアは、ただ整えるものではなく、暮らしをつくるもの。
このシリーズでは、さまざまな人の住まいを訪ねながら、インテリアとともにある暮らしの工夫や、その人らしさがにじむ空間のあり方を紐解いていきます。
初回となる今回は、神奈川県横浜市に暮らす石井貴大さんの住まいへ。旅先で出会ったもの、日々の縁が手繰り寄せたもの——そこに並ぶアイテムのひとつひとつに、石井さんの歩んできた時間が宿っています。
見晴らしも、日当たりも、風の通りも
すべてが心地よく、人が集まる部屋
神奈川県横浜市のとある住宅地。見晴らしのよい高台に建つマンションに暮らす石井貴大さん。2年前、それまで続けてきた医療系の仕事から一転、現在は建築設計事務所〈PARMANENT〉に転職し、同社のプレス業務を担っています。インテリアはもともと好きでしたが、現在の仕事を機に、さらに勉強中とのこと。そんな石井さんがこの家に引っ越してきたのは約2年半前。リノベーション済みのマンションを購入し、一部を改修したという76㎡の2LDKです。リビングからの見晴らしがよく、この物件を選んだ決め手にもなったのだそうです。

「この物件を最初に内見したときに、見晴らしも風通しもよかったところが気に入りました。日当たりもよくて、朝から夕方までずっと光が入るんです。ちょっと天井が低いので、そこだけ気になったのですが、家のなかでずっと立ってることもないかなと思い、ここに決めました。住み心地は、すごく良いですね」
この居心地のよさから、友人を招いてのホームパーティをよくおこなうのだそう。

「お酒が好きで、SNSの投稿もだいたい酒場めぐりです(笑)。家では1人だとあまり飲まないのですが、お酒好きの友人を集めて飲むことはよくしています。そのために椅子を増やしたり、グラスを買ったりしているんです」
旅先でみつけたぬいぐるみから、名作家具まで
大切なストーリーが詰まったインテリア
リビングに入った途端、石井さんがこの部屋に決めたことに納得。高台であるうえに、周りに高い建物もないため、2Fとは到底思えないほどの開けた眺望が視界に入ってきます。そして約22帖の広々としたリビングダイニングのインテリアに、早速心が躍ります。


名作とヴィンテージをミックスした、さまざまな素材の家具、生き生きとした大ぶりのグリーン、シャープな照明、そして、そこかしこに散りばめられているカラフルでユーモラスなオブジェやぬいぐるみたち。さっそく、石井さんのインテリアのコンセプトやこだわりをうかがいました。
「見てのとおり、統一感があまりないのですが(笑)、新しいもの、古いものといった点で選んだり、ジャンルを決めることはなく、ほんとうに好きなものを集めているというのが、部屋全体のテーマです。ポップな色やアイテムが多いのは、自分は賑やかな方が落ち着くタイプだからですね。飾ってあるものは、旅先で購入したものや友人からのプレゼントなど、思い入れのあるものが多いので、そういったものをどんどん集めて、ふとした時に思い出せるような場所にしたいなということは、意識しているかもしれないです」

ELEPHANT SOFA 2-SEATER BLACK
/ Karimoku New Standard
月額¥12,850〜

LAMPADINA / FLOS
月額¥1,350〜
この部屋に引っ越してきてから揃えたものがほとんどで、インテリアショップやブランドのショールーム、知らない街でふらりと立ち寄ったリサイクルショップなど、日頃から幅広い視点でインテリアを探訪していると話す石井さん。なかでも、2年前のスリランカ旅行での経験が、インテリアのインスピレーションに大きな影響を与えてくれたそうです。

「スリランカの建築家、Geoffrey Bawa(ジェフリー・バワ)が設計したホテルに泊まる旅のなかで、コロンボにあるバワのオフィスを客室にしたという部屋も訪れました。そこには中国の古い青銅や大きな像のぬいぐるみなど、いろんなものが置いてあったのですが、変なバランスでは全然なくて。それで、いろんなものを置いてもいいんだと思うようになりました。あと、バワはダルメシアンが好きで、それで白と黒のものをよく買ったり、置いたりしていたという話にも影響を受けて、自分も黒や白というはっきりした色を、部屋に少し取り入れてみようと思ったんです」

ここにあるすべてのものに、エピソードがたくさん詰まった石井さんの部屋。そのひとつひとつを、丁寧に、愛おしそうに話す姿がとても印象的でした。
天井の高さを考慮した
インテリア選びのアイデア
好きなものや思い出のものでインテリアを彩るなかでも、石井さんならではの家具選びや部屋づくりのポイントがありました。
「天井が低めなので、なるべく重心を低くするイメージでものを選んでいます。あとは、色合いが一辺倒にならないように、いろんな色をいれていくということもポイントですね」

ペンダントライトではなくテーブルランプを選んだり、ローテーブルやベンチを置くなど、低いところに目線がいくようなインテリア選びは、参考になるアイデア。そして、部屋のベースである壁、カーテン、床そして、ダイニングテーブルやソファといった大型家具を、明るいホワイト〜ベージュトーンに統一しているので、カラフルなアイテムが多い中でも、全体が品よくまとまっているように感じます。

「リノベーション物件だったので、そこから変えられるところは限られていたのですが、友人から『カーテンと床は好きなものにしたほうがいい』というアドバイスをもらってそのとおりにしました。Kvadratのカーテンは高かったですが(笑)、理想の色味で、これにしてよかったと思っています」
家で過ごす時間をもっと心地よくするために
これからのアップデートプラン
2年半を経て、ようやく居心地のよい部屋が完成しつつあるという石井さん。今後加えたいアイテムや、さらにアップデートしたいプランについてもうかがいました。

「2つあります。1つは、ソファの後ろの壁にプロジェクターを投影したいと思っています。家のものが揃ってきて、居心地がよくなったからだと思うのですが、家で過ごす時間がほんとうに増えました。海外ドラマや映画を観ることも多いので、大きなスクリーンでゆっくり観たいです。もう1つは、コーヒーテーブルを置いているあたりに、ラグを敷きたいなと思っています。家具の下に敷くというよりは、自分がちょっと座れるスペースと、そこにベンチを置けるくらいのサイズ感をイメージしています。このムスビクッションと同じ、STUDIO THE BLUE BOYのラグをチェック中ですが、あまり主張しすぎず、ベージュっぽいカラーで見つけたいなと思っています」
価格や流行にとらわれず、悩みに悩んで決めたものも衝動的に手に入れたものも分け隔てなく。そんな自由なインテリアの発想を教えてくれた石井さんの部屋。また次に加わるアイテムと、そこに息づくストーリーを聞く日が、楽しみでなりません。
憧れの家具を、もっと身近に
好きなものをお部屋に重ねていくことで、暮らしはもっと自由に、心地よく変わっていきます。
そんな一歩を、ぜひご自身の空間でも。
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