美術館に飾られる彫刻のように空間を支配する圧倒的な美しさと、一度身を委ねれば起き上がれなくなるほどの極上の寛ぎ。イタリア・トスカーナで生まれた最高峰家具ブランド「Edra(エドラ)」は、妥協なきクラフトマンシップで世界中の人々を魅了し続けています。
大盛況のうちに幕を閉じたTOKYOROOMS展でも、ひときわ強い存在感を放ち、来場者の視線を釘付けにしていたEdraのプロダクトたち。 本記事では、同展で素晴らしい空間コーディネートを手掛けたインテリアコーディネーター・荒井詩万さんをお迎えし、プロの視点からEdraが持つ唯一無二の美学と、その際立つ個性を私たちの日常空間に調和させる秘訣を紐解いていきます。

家具か、アートか。「Edra」というブランドの魅力
ーー初めてEdraの家具をご覧になった際、どのような印象を持たれましたか?
荒井詩万さん(以下、荒井): 数年前にミラノサローネで初めて拝見したのですが、見た瞬間に「見たことがない家具だ」と驚きました。イタリアのブランドといえば、大理石やレザーを使った重厚なイメージが強かったのですが、Edraにはアートピースのような斬新なデザインがあり、非常に衝撃を受けました。
ーーアイコニックなビジュアルから「空間のアクセント」と捉えられがちなEdraですが、実際は本物志向の大人たちが最後に辿り着くブランドと言われています。プロの視点から見て、Edraを単なるオブジェで終わらせない、特有の「深み」や「知性」はインテリアコーディネーターの視点からみてどこにあるとお考えでしょうか。
荒井: 最初は華やかなデザインに目を奪われますが、その裏には「圧倒的な快適性への追求」という「深み」があります。Edraは内部のウレタンからファブリックに至るまで、すべて自社で開発・研究を行っています。職人さんが長い時間をかけ、人の手を介して作り上げているという妥協のない探求心が、揺るぎない深みに繋がっているのだと思います。
そして「知性」で言うと、良い意味で“トレンドと距離を置いている”ところですね。インテリア業界では毎年新しいトレンドの素材や色が生まれますが、Edraはそこから一線を画し、独自の価値観と世界観を築いています。何十年経っても変わらない絶対的な価値を持っている点に、凛とした知性を感じます。
美しさと極上の寛ぎのギャップについて
ーーEdraは座り心地や空間の居心地へのこだわりも格別です。自在に形を変えるソファや、特許取得したウレタンの開発、糸1本から自社開発するファブリックといった細部への徹底は、私たちの日常の寛ぎをどう変えてくれるとお考えですか?
荒井: 「神は細部に宿る」と言いますが、まさにその通りです。厚みをあと数ミリどうするか、糸の織り方をどうするかなど、見えない部分を含めた細部への徹底したこだわりが積み重なって、1つの家具が完成します。その探求が結果として空間全体のクオリティを高め、日常のラグジュアリーさや極上の快適さに直結しているのだと思います。

ーー数々の素晴らしいインテリアを手掛けてこられた荒井様ですが、もしご自身のご自宅にEdraのプロダクトを主役としてお迎えするとしたら、どのアイテムを選ばれますか? また、そのプロダクトがもたらす『極上の寛ぎ』や、空間全体に与える影響について、プロの視点から選んだ理由をお聞かせください。
荒井:しろくまが横たわるソファの「Pack(パック)」ですね。ビジュアルのインパクトに驚かされますが、実際に座るとすっぽりと優しく包み込まれるような圧倒的な安定感と安心感があるんです。

通常、イタリアの高級家具というと、空間にピーンとした緊張感が生まれがちです。しかしPackは、ただ可愛いだけでなく、ラグジュアリーさとユーモア(遊び心)が見事に融合しています。あのソファがポンと置かれるだけで、空間の空気がフッと温かく変わり、家族やお客様との楽しい会話が自然と生まれるような、そんな特別な魅力を持っています。
際立つ個性を自分の空間に落とし込むには〜「ファースト・エドラ」という選択〜
ーーEdraのプロダクトは、そのすべてが手仕事で作られており、アートピースのように、一点一点異なる表情に出会えることも、その大きな魅力の一つです。そのような、まさに自分だけの特別な存在の中から、『一生モノ(ファースト・エドラ)』として最初の1点を迎え入れるとしたら、どのプロダクトをおすすめされますか?
荒井: ダイニングチェアの「Milano(ミラノ)」です。昨年ショールームで拝見した際、完全に一目惚れをしてしまいました。

リビングや玄関にこの1脚がスッと置かれ、そこにピンスポットの照明が当たっているだけで、空間の空気が劇的に変わります。TOKYOROOMS展でもお部屋に置きましたが、ご覧になった方々が皆「わぁ!」と感嘆の声を上げていました。ただそこにあるだけで人を惹きつけ、これほどまでに感情が動かされる家具というのは、他にはなかなかないと思います。
ーーまたそのプロダクトをTOKYOROOMS展のような日本の限られた空間において、こうした圧倒的な存在感を持つピースを空間から浮かせず、日常の風景に美しく調和させるスタイリングのコツ(照明やラグなどの足し算・引き算)を教えてください。

荒井: アプローチは2通りあります。1つは、他の要素を削ぎ落として家具1点だけにフォーカスを当てる方法。そしてもう1つが、空間全体に「溶け込ませる」方法です。
TOKYOROOMS展では後者を選びました。浮かないようにするためのコツは、他のインテリアと「素材」や「色」を繋げていくことです。例えば、Milanoのポリカーボネート素材に合わせて透明なチェアを取り入れたり、家具の存在感に負けないようなボリュームのあるカーテンを合わせたりしました。また、シルバーやブルー系の銀箔を使ったアートを飾るなど、空間全体のバランスを徹底的に考え抜くことで、調和させることができます。
Edraがもたらす体験と、読者へのメッセージ
ーーEdraのような【妥協のない家具】を日常の空間に迎えることは、住む人のマインドやライフスタイルにどのような変化をもたらすと思われますか?
荒井: 住む部屋というのは、自分自身を映し出す鏡です。仕事から疲れて家に帰ってきたとき、ただの量産品ではなく、思わずテンションが上がり、感情が動くような美しい家具が出迎えてくれる。それは、「明日もお仕事を頑張ろう」「もっと美しくあろう」といった、自分自身の人生や生活のレベルアップに必ず繋がります。
ただ座って食事をするだけならどんな椅子でも生きていけますが、ファッションやアートと同じように、良い家具に出会い、家に迎え入れることは、心に圧倒的な豊かさをもたらしてくれます。

ーー最後に、これからご自身の空間をより豊かにアップデートしたいと考えている読者の皆様へ、メッセージをお願いいたします。
荒井: ぜひ、日常の中で「アンテナ」を張り、心が動くものに触れる機会を作ってみてください。素敵なレストランやホテルに行ったとき、ただ「いい空間だね」で終わらせず、「この照明素敵だな」と思ったら写真を撮って調べてみたり、実際に触れてみたりする。
そうした経験を積み重ねて引き出しが増えていくと、いざ自分の空間を作ろうとしたとき、「自分が何に心を動かされるのか」という感覚を取り戻せるはずです。ぜひ、色々な空間を見回して、良い家具に触れてみていただきたいですね。
Edraについて

Edra(エドラ)
1987年、イタリア・トスカーナ地方で設立されたハイエンドラグジュアリー家具ブランド。芸術的なデザイン、それを成し得るトスカーナの高度な伝統的職人技(クラフトマンシップ)、そして特許取得素材「Gellyfoam®(ジェリーフォーム)」をはじめとする革新的なテクノロジーを融合させた、絶対的な品質で世界中にその名を轟かせています。
家具という概念を超えた「アートピース」のような独創的なプロダクトの数々は、トレンドに流されない時代を超越した普遍的なエレガンスを宿し、世界中の美術館やラグジュアリーホテル、そして本物志向の邸宅に極上の豊かさと寛ぎをもたらしています。
日本公式ブランドサイト: https://spazioedra-tokyo-aoyama.jp/
日本公式Instagram : https://www.instagram.com/spazio_edra_tokyo_aoyama/
お問い合わせ先(ショールーム住所):
spazioedra-tokyo-aoyama@livinghouse.co.jp
Spazio Edra TOKYO AOYAMA by LIVING HOUSE.
〒107-0062 東京都港区南青山3丁目4-8 1階
営業時間:11:00 – 18:00(定休日:水曜日 ※祝日を除く)
インタビュー登場アイテムの紹介

▶︎Pack
流氷の上にクマが寝そべる姿。
自社で開発された特許取得ポリウレタン・ジェリー・フォームGellyfoam®と羽毛で座り心地を追求した座は、氷を表現したオリジナルのファブリックで包まれています。バックレストはポリエステル製フェイクファーで柔らかく仕上げています。
氷上の大きなクマが、どんな姿勢にも寄り添い、包み込んでくれ、あらゆる窮屈から解放されたかのようなリラックスを与えてくれます。
バックレストはポリエステルのフェイクファーで柔らかく仕上げています。
座はかたちの異なる2パーツで構成され、カラーバリエーションはホワイトとブラックの2色。

▶︎Milano
ミラノ大聖堂のファサードからインスピレーションされた、バックレストの高いチェアはポリカーボネート製の職人技で製作されています。直線的な幾何学模様の形状のポリカーボネートの、流動的な色調の変化と特殊な 「カンヌキ 」のテクスチャーによって、プレシャス感を醸し出しています。 ホワイトからグレーまでのカラーのニュアンスは、ポリカーボネートの光と色を反射する特性を活かしています。
プロフィール

荒井 詩万 あらい しま
インテリアコーディネーター
住宅やマンションのコーディネート・リノベーションを数多く手掛け、住まう人に寄り添う心地よい空間づくりが人気。インテリアスクールや大学非常勤講師、TVをはじめとしたメディア出演など幅広く活躍している。
