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ligne roset — 160年を超える歴史が織りなすフランス家具の革新と進化

目次

ligne rosetの誕生と初期の歩み (1860-1950)

ligne roset(リーン・ロゼ)の歴史は、1860年、フランスのリヨン郊外に位置するブリオードで始まりました。創業者Antoine Roset(アントワーヌ・ロゼ)は、若き19歳のときに、ローヌ川支流に広がる豊かなブナの森にインスピレーションを受け、木工の小さな工場を設立しました。当時はパラソルやステッキといった日用品を製造しており、彼の息子Emilio(エミリオ)と共に30名ほどの従業員とともに運営していました。

19世紀末、パラソルの需要が減少すると、アントワーヌは巧みに事業転換を図り、椅子の脚やフレームの製造に移行しました。この転換は、のちにligne rosetが家具メーカーとして発展するための重要な決断となりました。彼らの技術は、家具づくりの基礎となり、その後の家具市場への進出を成功させました。

戦後復興とモダン家具の成長期 (1950-1970)

第二次世界大戦後、フランス国内で家具の需要が高まる中、ligne rosetは従来の木工技術を活かし、公共施設向け家具の製造に取り組むことを決断します。アントワーヌの孫であるJean Roset(ジャン・ロゼ)は、この時期に家具の請負製造を手掛け、特に高校、大学、病院などの公共施設向けのモダンなスカンジナビア風家具で成功を収めました。

この時代、ligne rosetは、ブナ材やマホガニー、ローズウッドなどの高級素材を組み合わせた家具を製造し、デザイナーたちとのコラボレーションも開始しました。ジャン・ロゼは革新的なデザインを採用し、加工が容易な素材と金属やプラスチックを組み合わせた斬新な製品を生み出しました。1965年には、正式に「ロゼ社」が誕生し、ligne rosetブランドはさらに高成長を遂げていきます。

創造と革新の時代 — 「ROSETOGO」の誕生 (1970-1990)

ligne roset ROSETTOGO 2P

ligne rosetがその名を世界的に知られるようになったのは、1973年に発表されたソファ「ROSETOGO」によるものでした。この作品は、デザイナーMichel Ducaroy(ミッシェル・デュカロワ)によって生み出され、パリ国際見本市で初披露されました。装飾を一切排除し、曲線的で柔らかなクッションに包まれたデザインは、見る人々に衝撃を与え、瞬く間にligne rosetの代表作となりました。

「ROSETOGO」は、発売以来120万脚以上が販売され、現在でもブランドを象徴するアイテムとして広く愛用されています。この時期には、ligne rosetがデザイン業界に革新をもたらした象徴的な時代とされ、ブランドはますます多くのインテリア建築家やデザイナーとのコラボレーションを強化しました。

ligne rosetのデザイン哲学

ligne rosetのデザイン哲学は、モダンで洗練されたデザインと機能性の両立にあります。エレガントなスタイルと快適さを兼ね備えた製品を提供し、日常生活を豊かにする家具を追求しています。これにより、ligne rosetの家具は、現代の多様なライフスタイルに合わせた空間に最適です。

また、ligne rosetは「持続可能なデザイン」を強く意識しており、環境に優しい製品作りを徹底しています。使用される素材は持続可能なものに限定され、リサイクル可能な素材や環境に配慮した製造プロセスを採用しています。

1973年には、ligne rosetはパリに直営1号店をオープンし、公式にブランドの旗を掲げました。この時点から、ブランドは家庭向けの高級家具だけでなく、商業施設向けのコンテンポラリーデザインのリーダーとして国際的な地位を確立していきました。

製品ラインの多様性

ligne rosetは、ソファやチェア、テーブルといった主要な家具にとどまらず、照明、ラグ、デスク、収納家具など、家庭全体をコーディネートできる幅広い製品ラインを展開しています。この多様なラインナップにより、住宅のトータルデザインを実現するブランドとして、総合的なインテリアコーディネートが可能です。

現代へと続く国際的な展開 (1990-現在)

ligne rosetは、1990年代に入るとさらに国際的な存在感を強めました。フランス国内の需要に応えるだけでなく、ヨーロッパ全体、そしてアジアやアメリカなどの市場へと展開を進め、コンテンポラリーデザインのリーダーとしての地位を確立しました。特に、デザイナーとの密接なコラボレーションを続けながら、ソファだけでなく、収納家具、照明、アクセサリーなど、住宅全体のデザインを提案するトータルコレクションを展開するようになりました。

ligne rosetの哲学は「デザインの革新」と「持続可能な製品作り」にあります。素材の選定から生産プロセスに至るまで、すべてが環境に配慮され、長寿命の製品が作られています。これにより、彼らの家具は持続可能で環境に優しいとされ、多くの国際的なデザイン賞を受賞しています。

ligne rosetの成功は、伝統的なフランスの職人技と、常に新しいデザインの可能性を模索するクリエイティブなアプローチの結びつきにあります。今日、ligne rosetはエレガントでモダンなライフスタイルの象徴となり、家具だけでなく、生活全般にわたるインスピレーションを提供しています。

デザインの進化と未来への展望

ligne rosetは、今後も革新を続け、持続可能なデザインの分野で新たなスタンダードを確立することを目指しています。150年以上の歴史を誇るこのブランドは、これからも新世代のデザイナーとのコラボレーションを積極的に推進し、新しいライフスタイルやデザインのトレンドを生み出していくでしょう。

また、ligne rosetは、次世代のクリエイティブな才能を発掘し、その視点を反映した製品作りを続けています。フランス国内外でのショールーム展開や、国際的なデザインイベントでの展示も引き続き行いながら、より多くの消費者にデザインの楽しさを届けることに注力しています。

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