無垢のステンレススチール製フレームに、特注の帆船用ロープ200メートル以上を使用して背と座を編み上げ、さらにロングヘアのシープスキンを添えて金属の冷たさを和らげた構成。
究極のリラクゼーションチェアと呼ぶにふさわしい一脚です。
その未来的な姿からは想像しがたいですが、「フラッグハリヤードチェア」の原点は、ある夏の日の砂浜にありました。
海辺で子どもたちが遊んでいる間に、ウェグナーは砂を掘って自分の身体に合う椅子の形をつくり、そこに身を沈めてくつろいでいたといいます。
サマーハウスに戻ると、彼はそのときの角度をもとに最初のスケッチを描きました。
木をこよなく愛したウェグナーが、金属に挑戦した意欲作でもあります。
「フラッグハリヤードチェア」では、ル・コルビュジエやミース・ファン・デル・ローエ、マルセル・ブロイヤーといった初期モダニズムへの敬意を示しながら、スチールという素材を木材と同じ精度と優雅さで扱えることを証明しました。