
ACME Furnitureの誕生と初期の展開
ACME Furniture(アクメファニチャー)は、アメリカンヴィンテージ家具を基盤に、日本国内で確固たる地位を築いたインテリアブランドです。ACMEの歴史は、1983年に東京で「Oh PA!」という店舗がオープンしたことから始まります。この小さなショップは、アメリカのヴィンテージ家具やインテリア雑貨を日本市場に紹介するパイオニア的な存在でした。1980年代は、日本において「ミッドセンチュリーモダン」や「ヴィンテージ家具」という概念がまだ広く知られていなかった時代です。その中でACMEは、アメリカの1950年代から60年代の家具デザインを再発見し、その魅力をいち早く日本の消費者に伝えました。
ACME Furnitureが正式にブランドとしてスタートしたのは1991年。西五反田にオープンした店舗は、「ACME」という名前を採用しました。このブランド名は、アメリカでよく見られる「ACME」という会社名にインスピレーションを得たもので、電話帳の頭に掲載されることが多かったため、象徴的な存在でした。
ヴィンテージとオリジナル家具の融合

ACME Furnitureは、ヴィンテージ家具の魅力を大切にしながら、現代のニーズに合ったオリジナル家具の開発にも注力しています。1993年に目黒通りに移転してから、USED家具やヴィンテージ家具に新たな価値を見出し、流行に左右されないスタイルを提案するようになりました。ACMEは、単にヴィンテージ家具を販売するだけでなく、カスタム家具の制作にも取り組み始め、これがブランドの発展に大きな役割を果たしました。
2004年には、ロサンゼルス・ダウンタウンにカスタム家具専門の「SOLA DESIGN」をオープン。ACMEは、飲食店やアパレルショップの什器(じゅうき)製作も行い、業務用家具の分野でも評価を高めました。
オリジナルプロダクトの誕生 — 2006年以降の革新

2006年、ACME Furnitureは新たな転機を迎えました。この年、ACMEはオリジナル家具の製造を本格的に開始しました。長年のバイイング経験をもとに培った知識と技術を生かし、ヴィンテージとオリジナル家具の両方を展開することで、独自のスタイルを確立していきました。これにより、ACME Furnitureは単なるヴィンテージショップから、独自のデザイン哲学を持つライフスタイルブランドへと進化しました。
ACMEのオリジナル家具は、アメリカンヴィンテージからインスピレーションを得ており、特に1950年代から60年代のデザインをベースにしています。ミッドセンチュリーのシンプルで機能的なデザインに、現代のライフスタイルに合う要素を組み合わせ、時代を超えた魅力を持つ製品が生み出されました。
35年の歩みをまとめた記録「THE AMERICAN VINTAGE FURNITURE」
2017年には、ACME Furnitureの35年にわたるバイイング記録をまとめた書籍「THE AMERICAN VINTAGE FURNITURE」が出版されました。この書籍は、ACMEがこれまでに取り扱ってきたアメリカンヴィンテージ家具の歴史とその価値を再確認する内容であり、ヴィンテージ家具ファンにとっては貴重な資料となっています。
ACME Furnitureは、1980年代からアメリカンヴィンテージ家具を日本に紹介し続け、その魅力を再評価する役割を果たしてきました。特に、アメリカの一般家庭で使用されていた50年代、60年代の家具は、ACMEが発掘し、専門の職人によって修復されたことで、再び輝きを取り戻し、多くのファンを魅了してきました。
ACME Furnitureのデザイン哲学とアイデンティティ

ACME Furnitureのデザイン哲学は、ヴィンテージ家具の魅力と現代のニーズを融合させることにあります。アメリカンヴィンテージの特徴である、シンプルでありながらも個性的なデザインと、素材の質感や耐久性にこだわる姿勢は、ACMEの製品に反映されています。特に、木材やレザーなど、経年変化が楽しめる素材を多く使用しており、使い込むほどに味わいが増す家具が特徴です。
また、ACMEは「流行にとらわれないデザイン」を重視しており、トレンドに左右されず、長く愛用できる家具を提供しています。このスタンスは、ヴィンテージ家具の価値を再認識し、現代のライフスタイルに合う形で再構築するというACMEの独自性を示しています。
持続可能な製品作りとヴィンテージ家具の未来
ACME Furnitureは、持続可能なデザインと製品作りにも力を入れています。ヴィンテージ家具の修復やカスタム制作を通じて、古き良きデザインを現代に蘇らせることで、家具の再利用と持続可能な消費を促進しています。ヴィンテージ素材を再生して新たな家具として命を吹き込むこのアプローチは、環境への配慮と共に、家具が持つ歴史的価値を次世代に引き継ぐことを目指しています。
また、ACMEのオリジナルプロダクトも、長く愛用できる耐久性を備えており、購入後に修理やメンテナンスがしやすい構造になっています。これにより、消費者は一度購入した家具を長期間にわたって使い続けることができ、持続可能なライフスタイルをサポートしています。
ACME Furnitureの代表的な製品ライン
ACME Furnitureは、オリジナルとヴィンテージの両方を取り入れた多様な製品ラインを展開しています。以下は、ACMEの代表的な製品群です。
WICKER LOUNGE CHAIR

WICKERシリーズはアメリカ西海岸地方ではポピュラーな意匠であるラタン素材を採用し、抜け感のあるリラックステイストが特徴となっております。
クッションにはACMEが厳選したファブリックを採用し、落ち着いた色味で他の家具とも合わせやすくなっています。
また、座面にSバネを採用し、比較的硬めの触り心地と高い耐久性を誇ります。長時間座っても疲れにくい、普段使いにおすすめのラウンジチェアです。
OAKS ARM CHAIR

ACME Furnitureオリジナルのチェア「OAKS ARM CHAIR 」です。
1908から1948年まで存在したアメリカ製のアームチェアをモチーフに、日本の住宅環境に合わせてリサイズしました。
オリジナルは背、座面ともにウッドですが、こちらはクッション性を持たせるために背と座にウレタンを入れ、長時間座っても疲れないようにしています。
ヴィンテージの美しいプロポーションを崩さずにサイズ変更をおこない、かつACMEのダイニングテーブルすべてに収まりが良いようアームの高さと幅を調整しました。
どの角度から見ても遜色ない仕上がりです。
ダイニングチェアとしてはもちろんのこと、デスクやリビングに置いてパーソナルチェア代わりにもおすすめです。
FABカラーはバイオウォッシュをかけたコットンキャンバスを使用、PVCカラーはPVCを使用しています。
ヴィンテージアイテムとの相性も抜群です。
木部のマホガニーは横行する乱伐や違法伐採を防止するため、ワシントン条約によって天然木の取引が制限されています。
この商品の木材はプランテーション栽培で計画的に植林された木材を使用しています。
マホガニーは加工性や寸法安定性、耐久性などに優れ、また天然乾燥の速度も速く、ズレや割裂も少ない木材です。
家具材、彫刻材、楽器、模型、内部装飾材などに用いられ、高級車のダッシュボードやハンドル、シフトノブにも伝統的に用いられています。
BROOKS DESK

ACMEでは一番ベーシックな形で細部のディテール、使い勝手を考えたデスク。
一般的なパソコンデスク(サイズ幅120cm 奥行60cm)より使いやすいサイズ感。
デスクワークをされる方にもご使用頂きたいと思い開発しました。
片方に書類やデスク周りの細かい物を収納するための抽斗が付いているため、デスク回りの細かい小物や書類などをしっかり収納できます。
《拘りぬいた天板仕様》
天板はしっかりとした厚みをしていますが、上から下に向けて内側に向かう形で面を落とし、見た目は軽い印象を。
ふちに手を回した時に手にフィットするのが心地よく感じるように少しだけアーチ状に膨らませています。
流線形な形の天板は丁度右手でPCマウスを触る際に肘が乗っかるように。
肘が乗ると長時間のPC作業での手の疲れを軽減する事が期待出来ます。
また、椅子を目一杯引き込んだ時に身体全体にフィットする感覚がなんとも言えず落ち着いた気持ちにさせてくれます。
《チェアを閉まっても収まりの良いデザイン》
デスクを離れる際にチェアをしまった時しっかりと納まりますので、背面のスペースをなるべく殺さずに出来るのは、オフィスでも家庭でも嬉しいポイント。
《天板と抽斗がつながるようなデザイン》
天板下の幕板は天板補強のためにしっかりと。抽斗と繋がるようなデザインとして、遠目で見た時にしか目に入りませんが目に入っても唐突な印象を与えません。
《シンプルだけどクセのない実用性重視の抽斗》
抽斗の箱と一体化した手掛けにする事で、シンプルだけど他の家具を邪魔しない洗練されたデザインに。
抽斗のレールは“ソフトクローズ機能”が付いたものを選定。
ストレス無く開け閉め出来る事と、抽斗を壊さない為永くご愛用できるアイテムです。