■ペーパーコードのしなりが心地よく身体を支えてくれる
"J82"は、これまでのチェアと大きく違い、モーエンセンが採用して以来、ヴォルタとヨハンソンの採用することのなかったペーパーコードを座面に用いたことです。
家具生産に非常に厳しかったベックマークは、使い勝手を重視し、座面のペーパーコードがどの向きで座っても、座り心地がよくなるように考えて設計しています。
また、木部が非常に細く設計されていて、蒸気でひねりを加えて形成されるオークの背とアームレストは、このシリーズの為に開発されました。
■デンマークの人気レストランでも使用される快適な座り心地
従来より大きさの割に軽く、快適な背とアームレストを実現し、使い勝手よく日常使いが出来るという明確なコンセプトを持たせることで、"J82"は広い層から評価され、人気を博しました。
その使い心地はとても快適で、コペンハーゲンにある「世界一予約が取れない」と言われるnomaの姉妹店108 Copenhagenでは同じシリーズのダイニングチェアのタイプが使われているほど。
■ゆったりと腰かけられる 幅広で低めの座面
シリーズの中でも"J82"は、さらにゆったりと座れるよう、ダイニング向けの"J80"から幅を約29cm大きくし79cmに、シートハイもソファーと同じくらいのSH36cmに設計されています。
幅広で低めに設定された座面は、ラウンジチェアやイージーチェア等の用途が適しているでしょう。
普段の疲れを癒しながら、この"J82"とゆったりとした時間をすごしてみてはいかがでしょうか。
■デザイナー
Jorgen Baekmark (ヨーエン・ベックマーク) 1929 -
1958年にFDBモブラー4代目企画デザイン担当責任者に就任。
社会繁栄に伴い「民衆の為 の家具造り」という同社の哲学にこだわるだけでなく、軽くて頑丈な扱い易い家具、輸送 を考慮した組立てや分解が簡単な製品を世に送り出した。
■FDB Møbler(FDBモブラー)
日本が江戸時代後期であった1866年。
デンマークでは一般の人々が日常に不可欠な食品をより最適に入手出来るよう、地域神父クリスチャン・ソンネが流通の仕組みを構築し、FDBの前身となる協同組合を結成しました。
その後、デンマークのユトランド半島で日常生活協会を統括していたセブリン・ヨーエンセンは、ソンネが発足したような仕組みを持つ様々な分野の協同組合を一つに束ね、1896年1月1日にFDB=デンマーク生活協同組合連合会を設立。
1942年にインテリア事業の角度から消費者の生活水準向上を目指し、FDB内に家具部門が組織化されFDBモブラーは誕生しました。
「丈夫で、美しく、機能的、そして手軽な価格」という当時としては画期的で過酷な開発条件のもと、妥協のない商品開発と職人たちの巧みな技術力、北欧の歴史や地勢によって育まれた文化、その全てが必然性を持って混ざり合い生まれたFDBモブラーの家具は、デンマーク国民の暮らしをより豊かなものへと変え、それはまた人々の 美意識をも向上させることに繋がりました。
デンマーク近代家具の父と称されるコーア・クリントに師事したボーエ・モーエンセンがFDBモブラーの初代企画デザイン担当責任者に就任し、ポール・M・ヴォルタが2代目を務めました。
ハンス・J・ウェグナーなど、名だたるデザイナーがプロジェクトメンバーに名を連ね、数々の名作を世に送り出し、それらはその後に生まれた デンマーク家具の模範となり、今日目にする数々のデンマークデザインが生まれたのです。